2025年3月30日(日)と31日(月)、松川町の工房大倉、飯田市のエスバードを拠点に、人工衛星「てるてる」の組み立て作業と振動試験が行われました。高校生たちと地域、そしてプロたちが手を取り合って取り組んだ、熱い2日間の様子をご報告します!
🔧【2025年3月30日(日)|工房大倉での組み立て作業】
この日、工房大倉にて人工衛星「てるてる」の本体組み立て作業が行われました。
参加したのは、
- 駒ヶ根工業高校の宇宙航空研究グループ(小鍛冶くん・福澤くん)
- 駒工OBの箕浦くん、山村くん
- 北海道から駆けつけた芳賀くん
- 工房大倉(大倉正治・あさみ)
- 爽風企画ドキュメンタリーチーム
- メディア取材
こんなに多くの方々が、「てるてる」の応援に駆けつけてくださっていることに、感激です。

てるてるチームの駒工生は、卒業式を終えて社会人への準備期ということもあり、全員そろっての作業というわけにはいかないのですが、なんと助っ人として3年前のOBの箕浦くんと山村くんが駆けつけてくれました!てるてるプロジェクトの前身の人工衛星プロジェクトに参加していたメンバーです。


午前中は、細かなネジ1本まで丁寧に検品・清掃。 職人技が光る部品加工やネジの微細な溝加工に、みんなが興味津々で覗き込む場面も。
午後からは、工房内のクリーンルームにて、いよいよポッド(外枠)と本体の組み立てへ!






途中、部品の不足や図面の確認不足など、いくつものハプニングが発生しましたが、そこは工房大倉の強み。必要な部品はその場で製作、確認事項も即対応し、チームで力を合わせて乗り越えました。
予定より約4時間半押しとなりましたが、無事に完成!! 作業が終わると、自然と拍手が湧き起こり、笑顔と「焼肉食べたい~!」の声も(笑)。
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📡【2025年3月31日(月)|振動試験@エスバード】
翌日は、飯田市の航空宇宙産業支援施設「エスバード」にて、振動試験を実施。
午前中は、搭載予定のバッテリー10本をXYZ軸にて加振試験。選抜のうえ、3本をてるてるに搭載します。

続いてポッド(外枠)のY軸試験へ。
加振中は音がゴゴゴ…と響くのに、ポッドはまったく揺れて見えない不思議な光景。 その理由は、
- ISS行きの補給船は振動が少ない構造であること
- てるてるが歪みなくバランスよく組み立てられている証拠!


午後からはX軸・Z軸の試験。スピーカー型の加振装置の位置に合わせて、人工衛星の向きを毎回変える必要があり、想像以上に手間と集中力が必要な作業でした。
そのたびにネジを外し、締め直し、姿勢を整えて…を繰り返し、ネジ1本のゆるみもなくすべての試験項目をクリア!
会場には、信州大学の人工衛星「ぎんれい」開発に関わった渡邉さんと仲間の皆さんも訪れ、あたたかく見守ってくださいました。さらに、工房大倉の従業員も交代で全員が見学に訪れ、自分たちの手がけたものが宇宙へ向かう姿を誇らしげに見守りました。
📸【うれしいご褒美も】


試験の合間には、渡邉さんが信濃毎日新聞を持ってきてくださり、前日の組み立て作業が記事に! 新聞を囲んでみんなで喜び合う、ほっこりした瞬間もありました。
試験の合間には、各メディアさんが取材をしてくださり、生徒たちのいい経験にもなったのではと思います。
みんなの夢をかたちに!


この2日間、まさに「夢をかたちにする時間」となりました。
町工場と高校生、そして多くのプロと応援してくれる皆さんの力で、てるてるは着実に宇宙への階段を登っています。
そして、4月1日からは駒工生たちがそれぞれの道へと進み、新社会人として新たな一歩を踏み出しました。 人工衛星「てるてる」と共に過ごしたこの経験が、これからの未来の中で彼らの心の支えとなりますように。
夢を持って取り組んだ時間は、必ず人生の力になる。
新しい世界でのチャレンジも、ずっと応援しています!
JAXAへの納品を目前に控え、ワクワクはさらに加速中! これからも、どうぞ応援よろしくお願いします!